AngelFish.jp
このサイトは熱帯魚の女王と呼ばれるエンゼルフィッシュ(Pterophyllum scalare)をプロブリーダーによる
長年の飼育・繁殖経験に基くノウハウの一部を公開しの魅力と飼育・繁殖など総合情報を提供するサイトです。
飼育・繁殖 思案
コンテンツ一覧
第1章 レッドトップ系エンゼルと色揚げ処理

第2章 エンゼルの繁殖と商品としてのエンゼル

第3章 エンゼルの病気に魚病薬が効かなくなる? 薬の利用と耐性菌の存在

第4章 観賞用として作り出された様々な品種と奇形の関係

第5章 避けては通れない繁殖における選別と淘汰

第6章 最高プロポーションとは何か?品質を追求選別と淘汰

第7章 名前ばかりが先行する幻のブルーエンゼル

第8章 エンゼルにおける改良品種の基本パターン

第9章 組み合わせによって変化する品種の名前

第10章 純血種と雑種、改良に必要不可欠な純血種の存在
 
 
サイトコンテンツ一覧

サイトトップページへ

徹底飼育マニュアル
  (第1章〜第13章まで)

改良品種カタログ
  (解説付きオンライン図鑑)

魚種別・混泳マニュアル
  (種別・混泳ポイント)

繁殖方法と命を扱う責任
  (ペア作り〜繁殖まで)

■飼育・繁殖 思案
  (飼育・繁殖に関する情報)

掲示板
  (アクアリスト交流の場)

エンゼル水槽の案内
  (アクアリスト水槽のご紹介)

AQUARIUM-LINK
  (アクアリウム関連リンク集)
    
 
PR

当サイトの運営をしている
ブリーダー直販のショップです。
良い魚をお求めの方はぜひ
ホームページをご覧下さい。
 
エンゼルフィッシュ 飼育・繁殖 思案 第2章
エンゼルの繁殖と商品としてのエンゼル
 
 このページでは繁殖の入門種であるエンゼルフィッシュですが実は『商品』になるエンゼルフィッシュの繁殖と言うのは全く別物といっても良いほど異なる事なのです。
 今回は熱帯魚を繁殖させる場合の心構えとエンゼルの商品的価値についてお話したいと思います。
 
 
 エンゼルに限らず魚を繁殖される心構え
 
 まずは熱帯魚を繁殖させる場合の心構えについてお話をしたいと思います。  自分の水槽で魚が繁殖する光景は非常に感動的で魅力のある事ですが魚を繁殖させる事は人の自由でも増やした後の魚に対して責任を持った対応をする事ができないのでしたら魚に限らず生物を繁殖をさせる資格はありません。 なかなか繁殖に成功しない人にはうらやましいと思いますが魚が殖えすぎてしまった場合などは時として辛い決断をしなくてはならない事もありますので生物を繁殖させると言う事は楽しいだけではない事を理解した上で行って頂きたいと思います。

 エンゼルに限らず繁殖が容易な魚はある程度コツをつかむと初心者でも本当に大量に繁殖できてしまうケースが多く見られます。 エンゼルを例にあげて説明すると若い親魚は7日前後のサイクルで少なくとも150〜300個ほどの卵を産卵し、うまく育てると少なくとも100尾以上の稚魚が毎週のように増えていく事になります。 仮に少なく見積もって毎週100尾のエンゼルが生まれたとして1ヶ月を4週間とすると実に1ヶ月で400尾以上、1年間で4800尾のエンゼルが誕生する事となります。

 よほど水槽を沢山お持ちの方でなければまずこれだけ量のエンゼルを飼育する事はできませんね。 エサや電気代だけでも相当な金額になるはずです。 主に繁殖した魚は魚を購入したお店など馴染みのあるお店でしたらエサ等と交換という形で引き取ってもらう事となると思いますがここで大きな問題が生じる事になります。 それは引き取ってもらう上でのエンゼルの品質と需要ついてです。

 エンゼルフィッシュの品質については繁殖可能な様々な熱帯魚の中でも『繁殖は簡単でも売れる商品を作るのは難しい魚』と言う事です。 なぜならエンゼルフィッシュはディスカスと比べても過密飼育による品質の低下が激しく、ヒレがきれいに伸びたエンゼルと過密飼育によって『ヤッコエンゼル』と呼ばれる海水魚のヤッコやディスカスのようにヒレが丸くなってしまったエンゼルでは後者は商品価値が著しく低下する為、特に個人が増やしたエンゼルはこのような傾向が強く、しかもこの商品価値の低いエンゼルを大量に持って来られてもお店としては余計な水槽スペースを必要な上に形が悪くては売るに売れないと言う困ったものとなってしまいます。
 
 趣味の繁殖と商業繁殖の大きな違い
 
 エンゼルの需要については大型シクリッドなどを繁殖されても引き取り手に困るのが常ですが、需要のある程度存在するエンゼルであっても繁殖をさせる側では無く、引き取るお店側の気持ちになってみて下さい。 普通、お店が熱帯魚を仕入れる際には問屋よりお店が仕入れたいと希望する熱帯魚を希望する数だけを仕入れるのですから、国産のエンゼルを欲しがっているのであれば特に問題はありませんが誰が見ても欲しいと思えるような素晴らしいエンゼルでも1種類を大量に繁殖させてお店で売り切る事ができないほど持ち込まれると当然の事ですがお店に嫌がられる事となります。 また増やすエンゼルの品種においても並エンゼルやゴールデンエンゼルは比較的人気が高いのですがマーブルエンゼルはそれほど人気が無いので嫌がられるなど需要の問題もありますのでお店に引き取ってもらう場合はそのような事も注意しなくてはなりません。 プロとアマの違いはクォリティの高いエンゼルを安定して繁殖できるかと言う問題と共に需要と供給についてもよく考えて行なうべき問題であることをよく理解する必要性があります。

 オオツカ熱帯魚をご利用のお客様の場合でも数多くの品種から自分の気に入った品種を欲しい数だけ購入できる点が丈夫で高品質なエンゼルという以外にも当店の強みになっているはずです。 これが例えばどんなに良いエンゼルでも並エンゼルしか売っていなければ少なくとも当店で購入したいという気持ちはあまりならないと思います。

 このように単に『エンゼルを殖やせる』と『商品になるエンゼルを殖やす』では全く異なる事ですのでその点を充分に考慮してから繁殖を行って頂ければ幸いです。 ブリーダーとしてエンゼルを増やしている私からの忠告としては『お店で○○○円で売っていたから半額でも買って貰えれば儲かる…』のような甘い考えは絶対に持たない事です。(気持ちは解らなくもありませんがほぼ間違い無く【捕らぬ狸の皮算用】 になります)
 東南アジア産の安価なエンゼルが大量に出回っている現在では『質より量』と言う嘆かわしい現状で国内のブリーダーでさえ採算が合わずに辞めていくような状況ですから利益を出す事が極めて難しい事は充分に理解して頂けると思います。 

 お店にとってはあくまで仕入れるつもりの無いエンゼルを引き取るのですから繁殖した子供をお店に引き取ってもらう事が前提条件であれば小さいうちに子供の数を間引いて標準60cm水槽ではSやMサイズまで形よく育てる為には普通は20〜30尾程度が限度ですから育てる量を多くても50匹以内まで減らして品質の良い物を作れれば『買取り』では無く、引き取ってもらうと言う気持ちで交渉されれば常連となったお店では対応してもらえると思います。(質問ばかりしてほとんど何も買わないような方やしつこく値切るなど、お店にとって迷惑な方は断られるはずですからお店との付き合いは大切にしましょう)

 また、数が少なくてもよほど回転の良いショップでなければ毎週のようにエンゼルを持って来られても引き取ってもらえない事も充分に考えられますからあくまで繁殖をさせる場合は産卵してもそのまま放置して稚魚が育たないようにするなどの事も重要となりますから自分の都合だけで殖やすのではなく、自分がおかれた環境を充分に考えて本当に繁殖をさせて良いのか判断して下さい。

 これはエンゼルに限らず大量に繁殖する魚は全てに当てはまる事ですので繁殖を行う場合は楽しい事だけではなく魚を処分するような苦しい経験も時として必要となりますので増やした魚が哀れな運命を辿らないように繁殖を行う際には責任を持って繁殖を楽しんで頂けると幸いです。
コンテンツ・イメージ

ただ繁殖させるだけならエンゼルの繁殖は容易な魚ですが、「商品」としての価値があるエンゼルを作るのは意外と難しい事です。 特に過密飼育によってヒレの短くなった商品価値の低いエンゼルは例え国産エンゼルでも需要はあまり多いとは言えないでしょう。(写真は“ウエディングエンゼル”)
 
 
コンテンツ・イメージ

エンゼルに限らず、繁殖と言う行為は飼育者に大きな感動を与えてくれる素晴らしいものです。 しかし楽しいばかりの事ではなく、感動の反面、生まれてきた新しい命に対して責任をもてないのであれば繁殖を行なう資格はありません。(写真は稚魚の世話をするゴールデンベールテールエンゼル)
 
 
このページのトップへ戻る