品種の特徴
ブラックベールテールエンゼルはブラックエンゼルにヒレを長くなる品種、ロングフィンの血統を加えた改良品種です。古き良き時代から根強い人気のある品種で特に目の縁が赤く、濃厚な黒色の中に漆黒のバンドがしっかり入る個体が最高峰とされ珍重されてきました。
現在では写真のようなバンドを持つノーマル系のブラックベールテールエンゼルよりも、マーブル模様で全身を塗りつぶしたようなマーブル系の個体が繁殖も容易なためか主流になっている様子です。
飼育ポイント
ベールテール系統のエンゼルフィッシュは鰭が長く伸びる性質から、飼育は少し癖のある品種になります。基本的な部分は他の品種と同様なので、基礎的な飼育方法は別章の飼育マニュアルを参考になさって下さい。
ブラック系統の品種は水質がアルカリ性の水質を嫌う傾向にあり、弱酸性~中性の水質で飼育するほうが良い結果となります。またレース系統とブラック系統はやや気の荒い性格がある為、近縁品種間では小競り合いもやや多くなるので注意しましょう。
ヒレの長さは個体差があり、比較的に短い張りのあるヒレの個体~鶏の尾長鳥のような非常に長く伸びる個体まで多種多彩です。いずれにしてもヒレが長いために強い水流を受けると泳ぐことに大きな負担が発生する為、水流が強い環境での飼育には向きません。
また、狭い水槽で飼育するとヒレが美しく伸びない場合が多く、最低でも深さ36cm以上、理想的には45cm以上の水槽で飼育するのが良いでしょう。大切に飼い込んで育てた個体の美しさはベールテールならではの魅力です。
繁殖について
ブラックベールテールエンゼルの繁殖は改良品種の中では難しい品種の1つとなります。ブラック系統の気の強さと水質に敏感な面があるため、最初は繁殖が容易な品種で慣れてから挑戦される方が望ましいと言えます。またベールテールの血統は鰭が長い為、他の品種よりも一回り大きめの水槽を用意してあげるのが理想的です。
特に系統維持を行う為には充分な選別眼とレース系統とのラインブリードなど、品種として維持するためには多くの労力を必要とする厄介な品種ですが、その難しさを差し引いても人気の高さがこの品種の魅力を現していると言えるでしょう。
子供は1cmほどのサイズまでは普通の品種と変わる事はありませんが、成長と共にヒレの長さが目立つようになります。ヒレは特にデリケートで過密の飼育に弱いため、良質な個体を作るためにはなるべく過密飼育を避け、ゆったりとした環境でバランスの良い餌を与えて育てるのがベストです。