品種の特徴
ブラックエンゼルはエンゼルフィッシュの突然変異により登場した黒化個体を品種として個体したと言われています。 最初の登場はアメリカとヨーロッパで同時期に製作されたと記録されておく、どちらで早く作られたかの詳細については不明です。ゴールデンエンゼルよりも作られた時期は早く、最も古い改良品種の一つと言って良いでしょう。
この品種は古くから根強い人気がある品種で特にエンゼルの多くが国内で養殖されていた時代には改良品種の数も少なく、漆黒のボディに赤い目を持つ「赤目のブラック」と呼ばれた個体は非常に珍重されました。東南アジアなどで盛んに養殖されている個体の多くは、写真のような並エンゼルのバンドを持つノーマル系統の個体よりもマーブル模様を全身に塗りつぶしたようなタイプが多い様子です。
飼育ポイント
ブラックエンゼルの飼育自体は他の改良品種と同様です。基本的な飼育方法は別章の飼育マニュアルを参考になさって下さい。飼育は大きく他の品種の差はありませんが、ややアルカリ性の水質を嫌う傾向にある為、弱酸性~中性の水質で飼育するほうが状態良く飼育できます。
またレース系統とブラック系統はその他の改良品種と比較するとやや気の荒い性格がある為、近縁品種間では小競り合いもやや多くなる事を考慮しておきましょう。特に体が黒いと相対的に傷が目立ちやすい為、同じ程度の小さな傷でも目立ちやすい傾向があると言えそうです。
繁殖について
ブラックエンゼルの繁殖は品種と比べるとやや難しい品種になります。飼育以上に弱酸性の軟水を望む場合が多いため、ピートやブラックウォーターなどを使い、こなれた弱酸性の軟水を用意してあげるのが理想的です。
稚魚の他の品種よりも成長も遅いため、エンゼルの繁殖に挑戦する場合は別のエンゼルで基礎的な技術を学んでから挑戦される事をお勧めしたい品種です。ノーマル系統のブラックエンゼルはインブリードの弊害も出やすい為、血統の維持には充分な親の選別眼とレースエンゼルとのクロスブリードも進めるのが理想的と言えます。